ゆう's Blog
ハムバッカーのポールピースの磁極を反転する

バー磁石を反転させることで可能。但し、ホット/コールドも反転する。

ポットについている「ツメ(タブ)」

ツメは「ポットが回らないように固定するためのピン」
ギターでは不要なので折って使う
他の電子機器ではツメ用の穴があるため、そのまま使うこともある

トーン回路

トーン回路は 「コンデンサー+トーンポット」=高域を削るローパスフィルター です。
コンデンサーは高域成分だけをアースへ逃がす役割を持ちます。
トーンポット(可変抵抗)は「どれだけ高域を逃がすか」を調整します。

配線の2パターン
コンデンサー → トーンポット → アース
コンデンサーを先に通してからポットで量を調整。
高域がコンデンサーを通過し、ポットの抵抗値で流れる量が決まる。

トーンポット → コンデンサー → アース
ポットで分岐量を決めてからコンデンサーに流す。
コンデンサーは常に高域だけを通すので、結果的に同じように高域が削られる。

違いが出るポイント
音質の違いはほぼゼロ:どちらも「高域を削る」動作は同じです。
操作感の違い:
コンデンサーを先に置く方式では、ノブを回したときの効き方がやや直線的。
ポットを先に置く方式では、効き始めが少し滑らかに感じることがあります。
実際のギター配線では、Fender系とGibson系で微妙に配線順が異なることがありますが、プレイヤーが聴いて判別できるほどの差はほぼありません。

ストラトのセンターピックアップを逆巻き・逆磁極

ストラトのセンターピックアップを逆巻き・逆磁極にすることで、ハーフトーン(フロント+センター、リア+センター)時にハムキャンセル効果が働きます。

極性がすべて同じピックアップを使う場合、ハーフトーン時のノイズは「減らない」だけで、シングルピックアップ単独使用と大差ありません。

※ RW/RP(逆巻き・逆磁極)を使うとノイズは減りますが、磁極が逆になることで弦振動への影響や倍音の出方が微妙に変わるという指摘もあります。

ちなみに、同極性・同巻きのピックアップを直列に繋ぐ場合、各コイルが拾ったノイズは同相で加算され、理論的には「2個分のノイズ」となります。ただし、信号(弦の振動による出力)も2倍近くになるため、S/N比(信号対ノイズ比)はほぼ同じに感じられます。

両端の径が異なるピックアップの高さ調整用スプリング

基本的な向きの考え方
狭い方(小径側) → ネジ側に向ける
ネジにしっかりフィットしてズレにくくなる。
調整時にスプリングがネジから外れにくい。
広い方(大径側) → ピックアップ本体側に向ける
ピックアップの耳(取り付けラグ)やボディに対して安定して座る。
面積が広いので、スプリングが斜めになりにくく、ピックアップがガタつきにくい。

実際の効果
ネジ側が細いと「ガイド」として働き、スプリングが真っ直ぐ動く。
ピックアップ側が広いと「受け皿」として安定する。

つまり、「狭い方をネジ側、広い方をピックアップ側」が基本の正しい向きです。

メッキと導電性の関係

ハムバッカーのベースプレートは真鍮やスチールなどの金属でできていますが、表面にはニッケルやクロムなどのメッキが施されていることが多いです。

メッキの種類によっては、酸化膜や表面処理の状態で電気的に絶縁に近い挙動を示すことがあります。

ハンダ付けの際に熱で酸化膜が破れ、下地金属とハンダが直接接触します。また、ネジ穴や削れた部分では、下地の金属が露出するので接触します。

エレキギターに使われるコンデンサー

種類

セラミックコンデンサー
安価で一般的。硬めでシャープな音質。
フィルムコンデンサー
オレンジドロップやバンブルビーなど。バランスが良くアップグレードの定番。
オイルコンデンサー
豊かなミドルと滑らかなトーン。ビンテージ志向のプレイヤーに人気。
ワックスペーパー系
初期Fenderで使われた歴史的モデル。コレクター人気が高い。

容量値の目安
0.047µF → シングルコイル(ストラト系)に多い。高域をしっかり削る。
0.022µF → ハムバッカー(レスポール系)に多い。削りは控えめで太さを残す。
0.033µF → P-90やジャズマスターに適用されることが多い。
0.1µF → アクティブピックアップ用。広範囲に作用

容量が大きいほど → より低域まで作用し、音がこもりやすい。
容量が小さいほど → 高域だけを削り、明るさを残したままウォームさを加える。
材質の違い → 同じ容量でも音の質感が変わり、プレイヤーの好みによって選ばれる。

容量値(キャパシタンス)を表す「EIA方式」と呼ばれる表記で、3桁の数字で容量を示します。

読み方のルール
最初の2桁 → 有効数字
最後の1桁 → その後に付けるゼロの数(10のべき乗)
単位は pF(ピコファラド) が基本

具体例
102
「10」+「2桁のゼロ」= 1000 pF
1000 pF = 0.001 µF
473
「47」+「3桁のゼロ」= 47000 pF
47000 pF = 0.047 µF
104
「10」+「4桁のゼロ」= 100000 pF
100000 pF = 0.1 µF

方位磁石でピックアップの極性を知る

N極がピックアップに向かう場合、そのピックアップはS極です。
地球の北はS極なのだ。

メーカー不明の4芯ハムバッカーを使うときは

1.各線のペアを抵抗モードで確認(同じコイルかどうか)

2.ホット/コールドの判定を電圧モードで確認

電圧モード(DC)で磁束変化を与える
ドライバーなどを近づけて発生する微小電圧の極性を見る  → テスターの針が右に振れたら+側がホット

※ アナログテスターの針はゼロ付近の微小電圧では動きが鈍いので、抵抗モードの方が視認性が高いです。近づけたときにテスターの針が右に振れたら+側がホット。

※ 「テスターの針が右に振れたら+側がホット」というのは“定義”ではなく、あくまで慣習的な判定方法です。つまり「ホット/コールド」は絶対的に決まっているものではなく、基準をどちらに置くかで位相が決まるだけです。

3.磁石で磁極を確認(逆極性であることを確認)

未使用ピックアップの端子処理
未使用ピックアップの端子処理
処理方法メリットデメリット実用評価
両端をアースに落とすノイズ源になりにくいコイルがアース経由で負荷になる可能性あり(微弱な信号が混入)△(実用上ノイズが少なくて快適に使えるが理論的には非理想)
両端を浮かせる(完全切断)回路から完全に分離、理論的に理想浮遊端子がノイズを拾う可能性あり◎(最も推奨、ただし配線に注意)
片側をアース、片側を浮かせるスイッチ構成によっては簡単浮いてる側がアンテナ化してノイズを拾う可能性×(避けたい構成)

理論と実務のバランス

理論的ベストは「両端を浮かせる(完全切断)」。未使用PUが完全に回路から離れていれば、信号経路に影響を与えないし、ノイズ源にもなりにくい。
ただし、浮いてる端子が長いリード線でシールドされていない場合は、静電誘導でノイズを拾うこともある。この場合は端子を短く切るか、シールド線で処理すると安心。

両端アースは一見安全だけど、コイルがGND間に残ることで微弱な信号が混入する可能性もある。特に高ゲイン環境では注意。

片側だけアースに落とす構成は避けるべき。浮いてる側がアンテナのように働いて、ノイズの原因になることがある。